Vertを用いたジャンプ荷重の定量化
目的
1. Vertの垂直方向の変位の妥当性を検証すること
2. ジャンプの単純なカウントを計算し妥当性を検証すること
方法
対象
オーストラリアの男性エリートジュニアバレーボール選手18人(表1)
平均値 ± 標準偏差 | |
年齢(歳) | 16.94 ± 1.47 |
体重(kg) | 85.50 ± 8.07 |
身長(m) | 1.96 ± 0.07 |
測定方法
1. Vert
垂直方向の高さを測定するため、2つのVertをへそのすぐ下に装着し、データ収集を妨げないように、全ての選手は上半身裸で行った。
各VertのデバイスはBluetoothを介してスマートホンアプリケーションに接続され、2つのシステム間の動機をするために最初にジャンプが実行された。
2. 動作解析
垂直方向の高さを算出するため、3次元動作解析ソフトであるVicon Nexusを使用して、軌跡データを収集および処理をした。
3. ジャンプカウント
ジャンプのカウントはSportscodeを用いて、ビデオで記録されたジャンプをコーディングした。
ジャンプは選手の両足がほぼ同時に地面を離れるように視覚的に判断されるものとして定義された。
結果
垂直方向(高さ)に関する妥当性
両方のVertデバイス間の相関はすべてのジャンプタイプ(r = 0.96–0.99)で優れており、平均バイアスは-0.83 cmであった。
3次元軌跡データと両方のVertデバイスとの相関は良好から良好(r = 0.83–0.97)だったが、Vertデバイスと運動解析を比較するとバイアスは大きく、3.57cmと4.28cmという結果になった。
それぞれVert 1およびVert 2を組み合わせたとき、Vertデータは平均して垂直変位の過大評価を示したが、垂直変位と測定誤差の関係は検出されなかった(r = 0.109)。
回数に関する妥当性
Sportscodeを使用し、合計1487回のジャンプが識別され、Vertを使用して記録された1307と正しく一致し、0.879のリコールをもたらした。
Vertが分析されたすべてのジャンプタイプに対して優れた精度を持っていることが明らかになった(0.974〜1.00)。
リコールは、ブロック、スパイク、サーブのジャンプモーション(0.957〜0.991)では優れていたが、トスのジャンプモーション(0.754)では低くなった。
結論
Vertはバレーボール選手の垂直方向の変位(高さ)とジャンプカウントを測定するための許容できる妥当性が実証された。
測定値は単純なジャンプカウントの測定値を超えて計算されるが、負荷と損傷との関連を前向きに監視する可能性が大きくなると考えられる。
Vertデバイスは比較的安価で市販されており、瞬時に情報を提供できるという利点もあり、デバイスが優れたツールである可能性が実証された。
出典
A simple method for quantifying jump loads in volleyball athletes
ECharlton, P. C., Kenneally-Dabrowski, C., Sheppard, J., & Spratford, W. (2017).
Journal of science and medicine in sport, 20(3), 241-245 .
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