日本男子トップの跳躍回数から効率的なトレーニング処方を考える
目的
国内男子トップリーグの試合におけるポジションごとの跳躍頻度および跳躍動作に関わるプレーの種類を調査し、トレーニング処方のための基礎的資料を得ること。
方法
対象
2013/14 シーズン V・プレミアリーグ男子におけるレギュラーラウンド中の試合
25 点マッチ(第 1 ~ 4 セット)における分析は、第 1 ~ 4 セットを各 4 セッ トずつ計 16 セット行い、V・プレミアリーグ参戦チーム全 8 チームが各 2 セットずつ
15 点マッ チ(第 5 セット)における分析は、各チームから 1 セットずつ、フルセットになった試合の 5 セット目だけを抽出し、計 8 セット行った。
分析方法
○ポジション
・セッター(S)
・ウイングスパイカー(WS)
・ミドルブロッ カー(MB)
・オポジット(OP)
・リベロ(L)の 5 つに分類した。
○プレーの種類
・アタック(スパイク、フェイント、ハーフスパイク、プッシュ、バックアタック)
・ トリックジャンプ
・ブロック
・ジャンプトス
・サーブ(スパイクサーブ、ジャンプフローターサーブ)の 5 種類に分類した。
結果
ポジション別の跳躍頻度(1set目から4set目)
Sはいずれのポジションよりも跳躍の頻度が有意に高く、L はいずれのポジションよりも有意に低かった、さらに、MBはWSよりも有意に高かった。
S | WS | MB | OP | L | |
回数 | 32.3 ± 4.4 | 18.9 ± 3.3 | 26.6 ± 4.1 | 22.9 ± 5.5 | 1.1 ± 1.1 |
1 試合におけるプレー種目別跳躍頻度の割合について
S(セッター)はアタックが 0.9%、ブロックが 21.2%、ジャンプトス が 68.1%、サーブが 9.9%
WS (ウイングスパイカー)はアタックが 38.9%、ブロッ クが 41.0%、ジャンプトスが 0.3%、サーブが 19.8%
MB(ミドルブロッカー)はアタックが 8.4%、トリックジャンプが 26.2%、ブロックが 53.5%、ジャンプトスが 0.1%、サーブが 11.9%
OP(オポジット) はアタックが 49.3%、ブロックが 34.2%、サー ブが 16.5%
L (リベロ)はジャンプトスが 100%
出典
バレーボール国内男子トップリーグの試合中における跳躍頻度に関する研究
岡野憲一,谷川聡.(2016) バレーボール研究= Journal of volleyball sciences, 18(1), 27-31.
用いられた論文はこちらです。