世界No1セッターのプレー
2019年12月25日 2019年12月31日

目的
世界トップレベルのコンビネーション攻撃におけるトス技術を明らかにすること。
方法
対象
男子世界選手権第 2 次ラウンドのブラジル対イタリア戦
ブラジルチームのセッターRG選手
結果
ジャンプトス高が平均 2.68m 以上の高さであることから、2.43m のネット白帯よりもおよそボール 1 個上の位置からリリースしていることが分かる。
ジャンプトス高(m) | トスボール最高値(m) | 打点高(m) | トス時間(s) | |
レフトサイド | 2.68 | 3.89 | 3.08 | 0.896 |
ライトサイド | 2.71 | 3.82 | 3.09 | 0.885 |
パイプ | 2.77 | 3.58 | 3.13 | 0.717 |
クイック | 2.68 | 3.13 | 3.11 | 0.399 |
トスの高さ・スピード
RG 選手は従来報告されている 4 人攻撃よりもトスボール高を低くしてスピードアップしたコンビネーション攻撃を、レシーブ返球がアタックラインの位置からでも実行していた。
体全体の動かし方
4 人攻撃のトスフォーム(平均)を全体的に見ると、右足から踏み込み、踏切中半で左足を揃え、離地時にはトス方向へ体を正対させて、ジャンプしてトスを行っていた。
腕の使い方
腕の動きは、肘関節を屈曲させてコンパクトな振込動作をしていた。踏切離地時では両手を頭部前上方に挙げてボー ルキャッチする構えを作り、 空中では肘関節を伸展させながらインパクトそしてリリースに至っていた。
一連の流れ
体幹を直立させた姿勢を崩すことなく移動、踏み込み、そして踏切離地時には体幹と両脚を鉛直方向に一直線に伸展させた姿勢から直上にジャンプして、およそ「へそ」の鉛直線上でボールをとらえてトスを上げていた。
出典
世界一流男子セッターによるコンビネーション攻撃のトス技術に関する研究
西博史, 吉田康成, 福田隆, 遠藤俊郎, & 橋原孝博. (2012).バレーボール研究= Journal of volleyball sciences, 14(1), 16-21.28-33.
用いられた論文はこちらです。